愚者 [愚者の詩]
葬式
男子Bの葬式には私以外の同級生全員に連絡がいった。
男子Bとは関わりの無い人達の所にも連絡がいった。
どうやら担任が私にだけは連絡しないように
手をまわしていたそうだ。
最後の最後まで自分の保身に必死だったようだ。
男子Bの葬式場にはTV局も来ていたが
担任の指示で皆が棺桶を隠して
取材できないようにしていたそうだ。
その上、葬儀に来た人に男子Bの親は
”子供が死んだのは来ている人達のせいだ”と
怒鳴り散らしていたそうだ。
男子Bの死を悼む声はほとんど聞かれなかった
当然である。
田舎ねずみ [愚者の詩]
祝福
男子Bが死んだ事を知った時
私は自殺しようと考えていたことが、馬鹿らしくなった
その上、私は大いに喜んだ
人の死をこれほど喜ばしいと思うのは
この先無いだろうと感じるほどに。
田舎ねずみ [愚者の詩]
理由
男子Bの自殺理由は入学式前日に知った
男子Bがいじめていた人達の中に年下がいて
その子に、
”お前が中学に上がったら兄貴達に お前を
いじめてもらう様に 言ってやる。”
といわれたからだそうだ。
田舎ねずみ [愚者の詩]
取材
中学校の入学式まで数日となったある日
TV局の車がやたらと止まっている事があった
その理由は入学式2日前にわかった
男子Bが家の玄関で首吊り自殺をしたという事だった
男子Bと共につるんでいた人たちは
男子Bがいじめられていたと
TV局の人に話をしてニュースで流れていた
TV局もまともに取材などしないのだなと感じた
限界 [愚者の詩]
春休み
色々あったが何とか小学校を卒業し、春休みを向えた
だが、気分は何一つ晴れることはなかった
中学でも同じ事が繰り返されるであろう事は
目に見えていたからだ。
この当時、ある県で中学生がいじめを苦に
遺書を残して自殺したニュースが一面をにぎわしていた
私が自殺を最後の手段として考えていた ある日
母親が男子Bの家の近くを通ったとき
小学校の校長、教頭と担任が男子Bの家へ
入っていたのを見たのである。
不思議な出来事だと思った。
限界 [愚者の詩]
結果
男子Bはいじめる子を1人から2人
2人から3人と対象を増やしていた
最終的に男子Bがいじめていた子は何人いるのかわからないほどに
男子Bはいじめ方もエスカレートしていた
言葉のいじめから暴力を振るうようになっていたのである
その上、男子Bの親は絶対に
自分の子供の悪行を認める事はしなかったのである
逆に男子Bがいじめている子の家に
殴り込みに行っていたという話しを聞くほうが多かった。
包丁と学校 [愚者の詩]
拡大
男子Bのうわばきにゴミや土が入れられるという
事件があった
担任は男子Bがどれだけかわいそうで
一番の被害者かという事をクラス全員に語った
担任はいじめの主導者を 最大級に 褒め称えたのである